失われた17年 1992年の試算 その2
次に1888年当時の実例を参考にカリフォルニアから日本にジャポニカ米を輸入した場合の試算をしてみた。商品名、商品形態、ともに同条件で設定し、アメリカの西海岸から太平洋を船便で渡り、東京で荷揚げ通関し、輸送形態は常温のコンテナ輸送とした。カリフォルニアでの現地仕入れ価格が800円/10kgのものが日本仕入れ原価で3200円/10kgとなった。輸入関税については当時は設定されていなかったので、日本での店頭小売価格を4000円/10kgと想定し、そこから逆算した関税111%を使用した。この関税111%という数字は、当時の国内標準価格米はカリフォルニ米に対して111%の関税を課さないと国内競争力を持たないということを意味した。
【カリフォルニア米を日本に輸入した場合の試算】
項目 | 計算式 | DM価格 | 円換算 |
---|---|---|---|
カリフォルニア現地仕入れ価格 | A | 10,00 | 800 |
仕入れ経費・横持ち運賃 | B | 2,00 | |
アメリカ東部海岸FOB価格 | C=A+B | 12,00 | 960 |
船運賃太平洋 | D | 6,00 | |
CIF東京価格 | E=C+D | 18,00 | 1,440 |
通関手数料 | F | 2,00 | |
関税400% | G | 20,00 | 1,600 |
当社原価 | H=E+F+G | 40,00 | 3,200 |
販売経費・横持ち運賃 | I | 5,00 | |
小売店舗仕入れ価格 | J=H+I | 45,00 | 3,600 |
店舗経費 | K | 5,00 | |
小売価格 | L=J+K | 50,00 | 4,000 |