2011-01-01から1年間の記事一覧

ベルリンの壁と日本のリンゴ

前回、ベルリンの壁が崩壊した当時のことを書いたが、地球の裏側の出来事の重大さが日本にはあまり伝わっていなかったことを一つ。私はベルリンの壁が崩壊した時にヨーロッパで日本産の農産物を売っていた。最近では話題になっているが1987年当時、私は日本…

北朝鮮とベルリン

昨日は北朝鮮の金総書記が死亡したニュース一色であった。その中で、今後の北朝鮮はどうなるのだろうか。国内が混乱して国外逃亡をする難民が日本にも押し寄せるのではないか。新しい体制を確立させるために軍事的パーフォーマンスが行われるのではないか。…

GIAHS in 佐渡

12月9日10日と連続で佐渡のGIAHS関係の仕事をしてきた。3日間の共通メンバーは私と日本雁を保護する会の呉地氏、国連大学高等研究所のあん・まくどなるど氏の3人。初日の9日は佐渡生きもの語り研究所の主催のGIAHS勉強会であった。参集者は農家、観光関係者、一…

コメ高くても国産89%

11月20日付けの読売新聞に「コメ高くても国産89%」というタイトルで本社世論調査結果が掲載された。内容は、「仮にコメの輸入が自由化された場合、価格が高くても国内産のコメを主に買いたいと応えた人が89%を占め、価格が安ければ外国産のコメを…

命を守る尺度

今年の3.11以降、世の中が大きく様変わりしようとしている。人間の命、人間の絆、家族の暮らし、地域の助け合い等様々な言葉で表現されている。これらの言葉に共通するキーワードは、「お金で買えないもの」ではないか。これまでは便利な暮らしを追求す…

TPPの議論で欠落しているもの

TPP参加の議論が紙面を賑わしている。様々な意見があることは良いことだが、議論のなかで大事なことが欠落しているので指摘しておきたい。 一つ目は、今回の議論に「為替相場変動」が入っていないこと。現在の対米ドルは戦後初めての75円台に突入しているが…

放射能安全基準と遺伝子組み換え

先日のテレビでまた放射能汚染の食品危害対策について討論していた。どうも議論が定まらずイライラする番組だった。放射能汚染の検査をするのはいいのだが、その検査結果の数値に対する客観的信頼性が欠如しているため、議論が空回りしているのだ。 私は全農…

進化論と放射能汚染

先日、放射能汚染の被害についてのテレビ討論を見ていて気分が悪くなった。悪くなった理由は討論内容が人間にとっての食の安全ばかりで、汚染地域の動物や植物の放射能汚染問題が全く議論されていないからであった。これまでのニュースでは汚染地域に放置さ…

国民総幸福量と生きもの調査

先日、世界農業遺産登録の勉強会資料としてブータンの国民総幸福量を調べた。国民総幸福量GNHとは1972年に、ブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュが提唱した「国民全体の幸福度」を示す「尺度」。ブータンは国民総生産GNPで示されるような、金銭的・物質的…

チェルノブイリ診療記

今日のテレビ国会中継で自民党の議員から「チェルノブイリ診療記」の話が出てきた。私もその本を丁度読み終わり、国の対応に憤りを感じていたので、興味深く政府答弁を聞いていた。質問は単純で、「ポーランドはチェルノブイリ原発事故直後に国が子どもを中…

米の放射能汚染

ついに予想していた米の放射能汚染問題が表面化してしまった。野菜、牛乳、魚、お茶、牛肉、そして米である。最近のテレビ見ていて「何か変だな」と感じている。官房長官が「○○県の牛を出荷停止にしました」という言葉に違和感を覚える。官房長官の言い方は…

震災復興を考える

震災復興については様々な意見が出されているが、農業と農村の復興について考え方を述べたい。農業に関しては「大規模化」「国際競争力」「法人化」「生産性の向上」等の言葉が並ぶ。これらの言葉は産業政策としての農業面で言われ続けていた。しかし被災者…

いただきます

学校給食の時間に子どもたちに「いただきます」という言葉を強制するのはおかしいのではないかという問題提議をした先生がいた。その先生はとんでもない勘違いから、そのような発言をした。先生が勘違いをした理由は「いただきます」という言葉の対象が農家…

風評被害への対応

3.11以降、農産物に対する風評被害は収束していないどころか拡大しているのではないか。週刊誌は危ない農産物というタイトルで放射能汚染農産物について書き続けている。政府から的確な情報開示がなされていないので、消費者の健康を守るという大義名分のも…

東日本大震災と田んぼの生きもの

東日本大震災の被災地の皆様には心からお見舞い申し上げます。 震災から2ヶ月が経過し、被災地の復興について様々な話が新聞やテレビで報じられている。冠水した田んぼの塩分の除去、放射能汚染された田んぼの表土の除去、更に大規模圃場整備による復興の話…

失われた17年 1992年の試算 その3

この試算の結果、当時の私の考え方としては、もしガットウルグァイラウンドで米の輸入自由化が認知され、将来的に関税率が0%になった場合、カリフォルニア米は2,400円/10kg前後で日本で販売される可能性がある。為替レートが1ドル100円に限りなく近づいた場合は更に2,000円/10…

失われた17年 1992年の試算 その2

次に1888年当時の実例を参考にカリフォルニアから日本にジャポニカ米を輸入した場合の試算をしてみた。商品名、商品形態、ともに同条件で設定し、アメリカの西海岸から太平洋を船便で渡り、東京で荷揚げ通関し、輸送形態は常温のコンテナ輸送とした。カリフォルニアで…

失われた17年1992年の試算 その1

これから紹介するのは私が1992年に作成したカリフォルニア米の輸入試算である。1992年当時もガットウルグァイラウンド問題で日本の米の輸入問題が焦眉の的となっていた。しかし 実際にどうなるかは殆どの日本人は分からないので、1988年当時、私がヨーロッパでカリフ…

失われた17年グリーンレート

TPP参加問題を議論する時に、為替問題を抜きには語れない。何故ならば、関税と為替は表裏一体の関係にあり、大規模化を進めて国際競争力をつけたところで為替が円高に大きく振れた場合に、その努力は半減してしまうからである。実際に北海道の酪農家がEC農業…

本当の開国

世界農業遺産については以前にもブログで紹介したことがあるが、日本の新潟県佐渡市が「トキと共生する佐渡の里山」を、石川県能登が「能登の里山里海」を、昨年12月にGIAHSに認定申請をし、12月17日付けで受理されたので、この欄で再度紹介したい。 内容は…