2010-01-01から1年間の記事一覧

【失われた17年】ECの戦略転換に学ぶ

ガットウルグァイラウンド交渉は日本にとっては米の市場開放という大問題であったが、グローバルな視点から見た時に、その交渉の背景と着地点とその後の世界の展開は、どのようになったのかを総括しなければならない。 ガットウルグァイラウンド交渉とは将にECとアメリカの喧嘩…

失われた17年

現在TPP問題で様々な議論が展開されているが、ガットウルグァイラウンドの時の日本の選択についての総括が無い。1993年に「米を一粒たりとも入れない」というムシロ旗を立てて交渉した結果はどうなったのかを検証しないと今回も同様の失敗をするのではないだろうか。カ…

壊れた本能

先日の日経新聞に面白い記事が掲載されていた。筆者は東洋英和学長の村上陽一郎氏であるが「あすへの話題」というコラムであった。ヒトは哺乳類の頂点にいるというのが常識であるが、他の哺乳類との表面に現れた違いは著しい。他の哺乳類にも同じ種のなかで…

TPPと水田と票田

先日の新聞に自民党政調会長の石破氏の面白い発言が掲載されていた。TPP問題を巡る発言で、「TPPに反対している国会議員は日本の水田を守ろうとしているのか、自分の票田を守ろうとしているのか、どっちなんだ」と誠に明快である。 10日に日比谷公園で行われ…

生きもの調査全国大会in秋田

11月3日に秋田県北秋田市合川町において「田んぼの生きもの調査全国大会n秋田」が開催されました。みぞれ混じりの雨にも係わらず秋田県を中心に西は四国から北は北海道まで様々な人が参加してくれました。今回の大会は生物多様性条約締約国会議の直後でも…

TPP参加を考える

最近の新聞紙上によく登場するのがTPP参加問題だ。正式な名称は環太平洋戦略的経済連携協定で、日本が参加した場合の国内農業が受ける打撃と参加しない場合の経済界の損失が議論の中心となっている。議論の中には農村の多面的機能の損失の試算や経済成長によ…

FAOの世界農業遺産

ラムサール条約会議でFAOと話しあいを持って以降、今度はFAOから「世界農業遺産」という話が舞い込んできた。「地域住民とその周囲の環境との関係性を持続させる取り組みから生まれた、世界的に重要な生物多様性を顕著に保持している土地利用システム及び景…

FAOの飢餓対策と生物多様性

韓国の昌原で開催されたラムサール会議には様々な国と機関が参加していたが、驚いたことは国連の食糧農業機構FAOが生物多様性を主張していることだった。FAOは世界の食料対策のために食料の生産性をあげることが最重要課題であるというのが一般的な認識だと…

消費者庁設置に対する意見(昨年の意見)

消費者行政を一元化する消費者庁設置関連法案が可決され、年内に発足発足する見通しとなった。これは中国産の毒入り餃子事件に端を発し、MA米の事故米問題等の食品事故や産地偽装問題が多発し、従来の縦割り行政では対処できないという理由で今回の法案に…

改正農地法

改正農地法が成立した。これまでの農地を中間保有する必要がなくなった点と担い手に貸し出した場合に1万5千円を5年間交付して農地集積を促進する点が特徴である。更に一般企業には賃借しか認めない耕作者主義が貫かれ、業務執行役員の1人に農業への常時…

FTAと個別所得補償

民主党が選挙公約に日米FTA締結を盛り込んだことに対して自民党は一斉批判をしている。果たして、この批判は正しいのだろうか。世界の自由貿易問題と農業保護政策の問題は既にガットウルグァイラウンドで決着をしている問題であり、民主党が選挙公約にしてい…

減反政策と生物多様性

米の生産調整の見直しを巡り様々な意見が出されている。しかし様々な意見の中で「米の生産調整=減反政策」という短絡的な構図から脱却できていないのが一番の気がかりである。減反政策は米の生産調整のために始めた政策であるが、40年前の社会環境と現在…

個別所得補償政策に対する意見

所得補償政策は1993年に決着したガットウルグァイラウンドまで議論を遡らなければならない。大方の日本人はGURでは無理やり米の市場開放を迫られたという意識が強い。そこで議論されていたことが正確に日本人に伝わっていない事が今日の日本の悲劇の始まりと…

市街化区域内農地を考える

ヨーロッパではここ数年、都市における生物多様性の議論が活発になり、ロンドンでのハヤブサの復活やスペインでのツバメの巣の保護等の活動が行われ、今年の名古屋での生物多様性国際会議でも都市における生態系サービスの決議が行われようとしている。 日本…

理事長ブログがリニューアルしました。

BASCホームページと共に、理事長ブログがリニューアルしました。 今後はこちらにBASC関連の講演の補足や、農業政策について書いて行きます。 これからも宜しくお願い致します。