戦争犯罪人 安倍晋三

現在、安保法案が国会で審議されているが、憲法違反かどうかの前に安倍総理本人は東京裁判をしっかりと読んで分析しているのだろうか。砂川事件最高裁判決を無理やり引用しているが、本人は数年後に戦争犯罪人として処刑されることを覚悟して今国会に臨んでいるかどうか聞いてみたい。
東京裁判では開戦の本当の責任者は誰かということが問われたわけだが、永野修身と嶋田源太郎の弁護を担当したブラナンはこんなことを言っている。
満州事変の勃発から太平洋戦争終了までのわずか14年たらずの間に日本では、13人もの首相、30人の外相、28人の内相、19人の陸相、15人の海相、23人の蔵相が生まれた。これらのことは太平洋戦争開戦の共同計画または共同謀議の確証では無く、指導力の欠如ではないか。
同じ期間でイギリスの首相は5人、アメリカの大統領は3人、ドイツの首相(総統)は5人、ヒトラームッソリーニは指導者としてその責任において戦争に突入したのである。
国家の運命を賭した危機のなかで、日本の指導者がこれほど頻繁に交代したのは、要するに、彼らがその時その時のムード的多数意志の代弁者に過ぎなかったからだ。いわば彼らはロボットであり、ムード的多数意志とのあいだに少しでも距離ができれば、彼らの存在理由が無くなり、次の指導者にバトンタッチしなければならなかった。したがって太平洋戦争開戦の責任者を強いて探すとすれば、とらえどころのない、当時の日本の好戦ムードしかない。
今回の安保法案では戦争に巻き込まれる公算が非常に高いと言われている。ここで安保法案が可決されて数年後に日本が戦争に巻き込まれ、その開戦責任を問う裁判が行われると想定してみよう。開戦責任は間違いなく安倍首相であり、高村副総裁であり、中谷防衛大臣である。大多数の日本国民と憲法学者が反対といっているにもかかわらず、多数決の理論を持って法案を成立させようとしている確信犯なのである。
多数決ならどんなことでも出来るという立場を固めてしまい、その結果、少数良識派の存在理由はなくなり、日本全体がその場限りのムード的な多数意志引きずられて太平洋戦争に突入した。現在の日本全体の多数意志は安保法案には消極的であるが、アベノミクスの信任だけを争点とした選挙で多数を獲得した安倍首相は安保法案に対する信任に問題をすり替えて、多数決という民主主義の形だけを利用している。
祖父の岸信介戦争犯罪人であったが自国防衛以外の戦争は憲法違反だといっていた。歴史に学ばない安倍首相に対しては、国民の理性を総動員して安倍首相に戦争犯罪人の覚悟を問うしか方法がない。